何故このような仕組みになっているのでしょう?エン
スイッチを押し込むと、Aux センドは一般的エフェクト
ジニアがチェックするものをメーターに表示させるため センド(ポスト LEVEL、ポスト MUTE/ALT 3–4)となりま
です!エンジニアがモニターするのは CONTROL ROOM す。エフェクトセンドには不可欠な設定です。ウェットの
[10] 出力またはヘッドフォン [11] 出力です。その音量は 信号レベルは常にドライの信号レベルに追随し、双方の比
CONTROL ROOM / SUBMIX [32] ノブまたは PHONES [31] 率が保たれます。例えば、チャンネルのレベルを下げたの
ノブで調整が可能ですが、メーターに表示されるのはこれ にエフェクト音がまったく下がらないと困ります。エフェ
らのノブ以前の SOURCE ミックスのレベルです。モニター クト音は、チャンネルレベルの動きに追従することが望ま
の音量に関わらず、常に「実際のレベル」を表示します。
れます。「ポスト MUTE/ALT 3–4」は、チャンネルをミュー
トすると外部エフェクトへ送られる Aux センドもミュート
される、ということを意味します。
802-VLZ3 の幅広いダイナミックレンジのおかげで、メー
ターのピーク表示が –20 dB から +10 dB の間にあれば、素
晴らしいミックスを完成させることが可能です。多くのア
ンプは +10 dB でクリップを生じます。いくつかのレコー
ダーもそのレベルを許容しません。従って現実的にはピー
クを「0」から「6」の間に保つとよいでしょう。
37. AUX MASTER SEND ノブ
このノブは、AUX SEND [15] アウトプットに信号が届く
直前で、Aux センドの全体的レベルをコントロールします。
ノブを左に振り切るとオフ、中央でユニティーゲイン、右
に振り切ると 10 dB のゲインとなっています。追加ゲイン
はそれほど必要ないと思われますが、役立つこともあるで
しょう。
オーディオメーターは、単にレベルが範囲内であること
を大まかに確認するツールです。ですから、小さなレベル
の時にはずーっと注目している必要はありません!
例えば、ボーカリストがあなたを見ながらステージモニ
ターを指してから親指を立てたとき、このノブを右に回し
てください(親指が下を向いていたら左に回しますが、そ
ういうことは滅多にありません!)。
Auxについて
まず、SEND はアウトプットです。RETURN はインプッ
トです。チャンネルの AUX ノブ [28] を持ち上げるとシグ
ナルが分岐します。各チャンネルから分岐した Aux シグ
ナルの総和は、AUX MASTER [37] ノブを経由し、AUX
SEND [15] アウトプットに送られます。
38. STEREO RETURN ノブ
このノブは STEREO RETURN [8] インプットが受信する
シグナル(エフェクトプロセッサーから出力されたウェッ
トシグナル、あるいはシンセサイザーのステレオ出力など)
のレベルを調整します。幅広いレンジでシグナルレベルを
扱えるように設計されています(オフからユニティーゲイ
ン、20 dB のゲインまで)。低いレベルのエフェクトを補正
することも可能です。
このアウトプットからリバーブなどの外部デバイスに
信号を供給します。そして外部デバイスからの信号は、
STEREO RETURN [8] 端子からミキサーに戻します。戻っ
た信号は STEREO RETURN [38] レベルコントロールを経
由し、最後に MAIN MIX と合流します。
つまり、チャンネルの「ドライな」(オリジナルの)サ
ウンドは、チャンネルから MAIN MIX に送られ、エフェ
クト処理を施された「ウエット」なサウンドは STEREO
RETURN [8] から MAIN MIX に送られます。ドライとウエッ
トがミックスされることによって素晴らしいサウンドを生
み出します。この知識とともにさらなる Aux の世界を眺め
てみましょう!
通常、このノブはセンターに設定し、エフェクト側の出
力もそれらのユニティーゲイン(デバイスのマニュアルを
ご参照ください)に調整します。音量が大きすぎたり小さ
すぎたりする場合は、ミキサーのインプット側でなく、エ
フェクト以前で調整してください。その方法により、この
ノブはセンターに設定できるでしょう。
このノブを通過したシグナルは直接 MAIN MIX に進みま
す。STEREO RETURN もインプットですが、MUTE/ALT
3–4 スイッチを備えていません。従って、エフェクトのサ
ウンドを ALT 3–4 ミックスに送る場合は、エフェクトの出
力をステレオチャンネルのどれかに接続し、そのチャンネ
ルの MUTE/ALT 3–4 スイッチをアクティブにする必要があ
ります。
36. PRE / POST スイッチ(AUX)
Aux センドは、ミックスにエフェクトを加えるためだけ
のものではありません。もう 1 つ、ミュージシャンが自分
の演奏を快適にモニターすることができるようにキュー
ミックスをステージモニターに送る、という重要な用途が
あります。802-VLZ3 の Aux センドは両方の用途に使用す
ることが可能です。このスイッチによって使い分けます。
スイッチを押し込まれてない状態にすると、Aux セン
ドはチャンネル信号を LEVEL の前(すなわちプリフェー
ダー)、そして MUTE/ALT 3–4 の前で分岐します。従って、
メインミックスのためにこれらのコントロールを操作した
場合にも、Aux センドに供給されるチャンネル信号に影響
はありません。チャンネルのレベルコントロールの設定に
左右されないので、ステージのモニターミックスに適して
います(EQ 設定はすべての Aux センドに影響を及ぼしま
す)。例えるなら、バンドメンバーをハッピーにする PA、
そしてオーディエンスをハッピーにする PA、2 つの PA を
個別のレベルで同時にセットアップする感じです。
39. POWER LED
ミキサーが適切なコンセントに接続され、POWERスイッ
チの上を押し込むと、POWER LED が点灯し、内部の回路
がオンとなったこと、操作準備が整ったことを知らせます。
POWER スイッチの下を押し込むとミキサーがオフとな
り、この LED も消灯します。
おめでとうございます!これであなたは 802-VLZ3 の全
機能を制覇しました!ちょっと冷たいものでもいかが?マ
ニュアルにはまだ技術的な説明が残っていますが、あなた
が一服している間に逃げたりはしません!
ꢀ1
Owner’s Manual